小児歯科
- Tell:説明する
- Show:見せる
- Do:行う
- 一人で椅子に座れるようになること。
- コップを使って、「ブクブクペー」と口をゆすぐことができること。
- 椅子を倒して、横になれること。
- ミラーを口に入れることができること。
- 口に綿を入れて、噛むことができること。
- 器具を使って、手や顔に風を当てることができること。
- 口の中に、器具を入れることができること。
- 口唇を閉じる
- 上下の歯と歯を離す
普段、上下の歯は離れているのが基本です。が、近年、上下の歯が触れているお子さまが多くなっています。
TCH(Tooth Contacting Habit:歯の接触癖)と言って、悪い習慣の一つです。 - 舌を上顎に付ける(低位舌)
平静時、舌は上顎のスポットと呼ばれる位置についていて、ゴックンと飲み込むときも、上顎に舌が付いたままで飲み込むのが正しいゴックンの仕方です。 最近の方たちは、低位舌と言って舌が下に下がっており、ゴックンするときに舌の先が前歯の裏側に当たって押して飲み込む方が増加しています。 舌の筋力トレーニングが必要です。いくこ歯科でも指導いたします。 - 大腸の腸内細菌を育てるための離乳食
腸内細菌のえさになる食物繊維を生後3~4ヵ月頃から与えます。
オクラ水がおススメです。 - 固形食に慣れさせるための離乳食
生後3ヵ月頃から、野菜ジュースはミキサーで。粒々がある状態のものを。 - 顎顔面を発育させるための離乳食
生後6~8ヵ月で乳前歯AAが生えてきた頃は、顎顔面の発育において最も大切な時期ですので、お口周りの筋肉を鍛えるためのタオルトレーニングをしましょう。
また、3歳ごろまでは前歯を使う食事を積極的に与えるようにしましょう。
すり餌のようなものではなく、小さく切らずに、前歯でかじらないと食べれない食事メニューを選びましょう。
リンゴは皮ごと、ご飯は細巻きにして長いものを持たせるといった工夫もよいでしょう。
切り干し大根など歯ごたえのあるメニューもおススメです。 - 栄養源としての離乳食
ドロドロ、すりつぶしたものではなく、大人と同じ固形食を与えましょう。
お子さまを、歯医者ぎらいにさせないために。
「小さいときの歯医者での思い出がトラウマで、ずっと歯医者が怖くて行けなかったんです。」
ご紹介で当院に来院される患者さまから、このようなお話をお聞きすることが良くあります。
実際にお口の中を拝見すると、今までずいぶん歯で悩まされてきたのだろう…ということが見て取れる状態。 勇気を振り絞ってご来院頂いたことを嬉しく思う反面、不自由なく歯医者に通える状態だったら、ここまで苦労することもなかっただろうに…。と、少し残念な気持ちになってしまいます。
小さいときの「怖い体験」は、大人になってからもずっとトラウマとしてすりこまれてしまうもの。 そのような方々が少しでも減り、気持ちよく歯医者に通っていただけるよう、サポートしていきたいと考えております。
このページの目次
大学では小児歯科、障害者歯科を専攻してきました まずは歯医者さんに慣れてもらうトレーニングを。 治療の際も、できる限り痛くなく 舌小帯の切除手術について 癖や習慣の改善で健全な発育を お子様を虫歯にさせないために 離乳食の目的と与え方
大学では小児歯科、障害者歯科を専攻してきました
私は、大学では小児と、障害者歯科を専門に学んできました。さまざまな障害をお持ちのお子様に対して、これから歯を治療するということを理解していただくために、一つずつ丁寧に説明しながら、少しずつ歯医者さんに慣れてもらうためにトレーニングをしていくのです。
無事に治療が終了し、お母様もお子様もとても喜んでいる姿を見るのは、歯科医師としてもとても嬉しく、元気を分けてもらうことができる瞬間です。
歯科治療ができなかったお子様が、治療ができるようになるということは、この先の長い人生を生き抜くうえでもとても大切なことと思います。
お子様の心は、とてもデリケートで、とても繊細。当院では、緊急性のある場合の応急処置を除き、なるべくお子様のペースに合わせ、信頼と理解を得ながら治療を進めるように心がけております。
まずは歯医者さんに慣れてもらうトレーニングを。
トレーニングの基本は「T・S・D」です。
歯医者さんに通うのが初めてだったり、苦手だったりするお子様の場合は、すぐに治療をしたりせず、まずは歯医者さんに慣れてもらうトレーニングから始めます。
一つずつ、焦らずにゆっくりと行っていきますので、時間がかかってしまいますが、その後の歯科治療をスムーズに行うためにはとても重要なことなのです。
トレーニングの一例
治療の際も、できる限り痛くなく
トレーニングにより、治療ができる状態になったら、いよいよ治療を開始します。
ここで、お子様に「痛い」と感じさせてしまったら、今までの努力も水の泡になってしまいます。当院では、患者さまになるべく痛みを感じさせないよう、さまざまな工夫をしております。
当院に通われているお子様は、3歳程度の小さな子でも平気で麻酔をしています!
舌小帯の切除手術について
当院では、舌小帯をレーザーで切離する手術を行っております。
生後0~6ヵ月くらい(お乳を飲む期間)は麻酔なしで切除しますが、重症で筋肉層までの切離が必要な場合は、専門医への紹介となります。
それ以降の年齢の方の切離については小学校へ入学後、自分でその必要性を理解し納得して施術される年齢まで待ちます。
舌小帯切離した後は、舌を挙上するトレーニングが必要となり、それをしないと後戻りしてしまうためです。
当然、トレーニングには痛みも伴いますので、小学校3~4年生以降ぐらいになるケースが多いです。
よく、2~6才ごろに、お母さまが舌小帯切離を希望される場合がありますが、周りからガッチリ押さえられて処置すればトラウマとなり、歯医者嫌いになったり、トレーニングもきちんとできなくて、せっかく施術しても元に戻ってしまうことになります。
そのため当院では、その年齢のお子さまは舌小帯の切除手術の適応外とさせていただいております。
→当院で行った舌小帯の切除手術の症例はこちら
癖や習慣の改善で健全な発育を
→詳しくは、口腔周囲筋肉トレーニング(MFT)のページを参照ください
お子様の歯の問題として、最近とても増えているのが、顎の発育不足や不正咬合といった問題です。
近年、インスタント食品や加工食品など、柔らかくて食べやすい食品が増えたことにより、食べものをまるかじりしたり、食いちぎったりする機会が減ってきました。
その結果、お口周りの筋肉がしっかりと活用されず、顎の発育が不十分のまま永久歯が生え、不正咬合となってしまうケースが増えているのです。
改善方法としては、矯正治療を行って顎を広げる治療を行う方法も一つですが、お口周りの筋肉を鍛え、本来の顎の成長軌道に乗せてあげることで歯並びの改善も図る方法もあります。(口腔周囲筋肉トレーニング(MFT))
症状によって、どちらも方法が適切か、もしくは2つを併用すべきかが異なってきますので、お子様の歯の異常でお悩みの方は、まずは一度ご相談にいらしてください。当院では、矯正歯科学会の認定医を持った矯正専門医が対応をさせて頂いております。
悪い癖や習慣を直す、基本の3原則
お子様を虫歯にさせないために
乳歯や生えたての永久歯は、まだ歯質が柔らかく、大人の歯よりも虫歯になりやすい傾向があります。また、乳歯の場合は虫歯が進行して根の先に炎症が起こると、その下の永久歯にも悪影響をおよぼしてしまい、一部分が変色した永久歯が生えてくることもあります。
どうせ生え変わるからと油断せずに、しっかりとした予防ケアがとても重要です。当院では、お子様の予防ケアとして、下記の予防メニューをおススメしております。
シーラント
シーラントとは、汚れが溜まりやすく虫歯になりやすい奥歯の溝の部分に、フッ素を配合した白いプラスチックを埋めることで、溝に汚れが溜まるのを防ぎ、虫歯を予防する方法です。
特に、6才臼歯(前から6番目の奥歯)は溝も深く、もっとも虫歯になりやすい歯ですので、この歯が生えてきたらシーラントによる虫歯予防処置を検討してみましょう。
注射をしたり、歯を削ることもありませんので、お子様への負担も少なく処置ができます。
フッ素
フッ素とはミネラルの一種であり、自然界に多く存在する成分で、歯や骨にとって欠かすことのできない必須栄養素です。
フッ素には、歯の再石灰化を促進したり、歯質を強化したり、虫歯の原因となるさ酸の生成を抑制したりする効果があります。
歯質が弱くて虫歯になりやすい乳歯や生えたての永久歯を強くし、虫歯になりにくい環境をつくることが期待できます。
ブラッシング指導
当院のベテラン衛生士が、優しく、一緒に楽しみながら歯の磨き方の指導をします。
子供の時期にしっかりとしたブラッシング方法をマスターすることで、大人になっても虫歯予防の習慣が作れます。
定期的に来院していただき、他の処置と合わせて行うことで、信頼関係も築きながら、効果的に虫歯の予防をすることが可能です。
離乳食の目的と与え方
離乳食は、目的別に違いがあることをご存じですか?
断乳は2歳ごろまで。私たちが参加している勉強会では、離乳食を目的別に4つに大別しています。
糖質やでんぷんを消化できるようになるのは1歳半過ぎてから
赤ちゃんはまず、「おっぱい」を分解しやすいように消化酵素を分泌します。
最初は、たんぱく質、脂肪、ミネラルだけで、糖質・でんぷんを分解するアミラーゼはありませんので消化しません。
アミラーゼは1歳半を過ぎてから、3歳ごろまでに大人と同じレベルになります。
離乳食の与え方のポイント
出来るだけ
・立って
・手で持って
・前歯を使って
・固形のものを
・食材は小さくしすぎずに
・おなかが空いたサインが出てから20分ぐらいしてから
・母乳は目と目を合わせて
食事を与えるようにしましょう